あさがおパーソナルジム/あさがお整体院 腰痛シリーズ第5話 筆者 加藤秀之
腰痛診療ガイドライン2019では、慢性腰痛に対する運動療法は「有用である」として最も強い推奨度(推奨度1)で位置づけられています。さらに同ガイドラインでは、腰痛の「予防」に対しても運動療法は有用であると、同じく強い推奨度で示されています。つまり「痛みが引いたら終わり」ではなく、そこから先の体づくりにこそ、医学的にも根拠があるということです。柔道整復師として40年・約20,000人の腰痛を診てきた臨床経験でも、この「治った後」の過ごし方の差が、再発する人としない人を分けている実感があります。
第1話では「腰痛はなぜ起こるのか」を、第2話では「ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症の違い」を、第3話では「40年・2万人の腰痛患者さんに共通していたこと」を、第4話では「治す→再発させない→現役力強化」という考え方をお伝えしてきました。
この考え方は、実はあさがおが一貫して大切にしている「整える」「鍛える」「効果を継続させる」という3つの流れそのものです。今回は腰痛という多くの方が体験される、大きなテーマを通して、なぜこの順番を重要視しているのか、そして50代以降の方がトレーニングを続けることで得られるメリットと気をつけるべきポイントを出来るだけ分かりやすくお伝えします。
①「整える」だけで終わらせてはいけない理由

痛みが引くと、多くの方が「治った」ともう何をしても大丈夫だ、と一定の安心感を感じます。実際、炎症や筋肉の緊張が落ち着けば、痛み自体は軽くなりますし、多くの場合動きの制限もなくなります。しかし、痛みを引き起こした原因——股関節の硬さ、体幹の筋力低下、長年の姿勢の癖——がそのまま残っていることは実のところ珍しくはありません。
前回ご紹介した51歳男性の症例では、股関節の可動域と体幹の持久力を見直すまで、毎年のように同じ場所を痛めていました。痛みが引くたびに「治った」と思い、また同じ生活に戻る。この繰り返しこそが、ぎっくり腰の再発パターンの正体だったりします。繰り返している方なら頷きながら読んでいるかも知れませんね。
「治る」はゴールではなく、2度と同じ辛い目に遭わないために、生活スタイルから見直すスタートラインと考えて下さい。
施術によって痛みを取り除き、体の状態を「整える」ことは、あくまで最初の一歩に過ぎないと考えており、私はいつも必ずこう伝えます。このままで治ったと安心してしまうと、痛みの原因はそのままなので、いずれ同じ痛みが顔を出す可能性がありますよと。明確に生活習慣の見直しと、人体の天然コルセットでもある体幹や下半身の強化が自らを守ることにつながると伝えます。
②「鍛える」理由——腰痛予防から、50代以降の体づくりへ

私たちの筋肉、特に大腿部や腹部の筋肉は、50代以降で減少が著しく、10年間で約10%、1年間で約1%ずつ減っていくと報告されています。それを理解した上で、「整える」で痛みの原因を取り除いたら、次に必要なのが「鍛える」段階です。例えば腰痛で動けなくなった期間が長いほど筋力低下が進んでおり、臨床の現場では「筋肉が弱っている患者さんほど再発しやすい」ということを体験して来ました。
その上で、じゃあどこを鍛えたら良いのか?と問われるかと思いますが、その際にまず重要なポイントとなるのが主に次の3か所です。
再発を防ぐために鍛えたい3つの筋肉
①体幹の筋肉(腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋)
お腹をコルセットのように取り巻く腹横筋と、背骨を一つひとつ支える多裂筋。大腰筋なども、これら体幹の筋力と共に姿勢をキープするための筋持久力が落ちると、腰椎が不安定になり、ちょっとした前かがみやくしゃみでも負担が集中しやすくなります。前回の70歳女性(脊柱管狭窄症)の症例でも、体幹の筋力強化がリハビリの柱になっていました。
②お尻とハムストリングス(大殿筋・裏もも)
お尻の筋肉が使えていないと、前かがみ動作のたびに腰だけで体を支えることになります。「腰だけで前かがみになる動作のクセ」は、まさに51歳男性の症例で見つかった原因の一つでした。お尻とハムストリングスをきちんと使えるようにするだけで、日常動作の負担は大きく変わります。外見的には男女ともお尻の筋肉がペラペラになって来ます。日頃履いているズボンのウエストはキツイのに、お尻の部分だけがダブついて来ているなら、確実にお尻とハムストリングの筋力は低下しています。
③股関節まわりの柔軟性
股関節が硬いと、本来股関節で行うべき動き(しゃがむ、前かがみになる)を腰が肩代わりします。柔軟性は筋力とセットで見直す必要がある部分です。靴を履くのがキツくなって来て、無意識にスリッポンのような楽に履ける靴を愛用し始めたら、それは股関節の硬さゆえの行動かも知れません。
腰だけの話ではない——50代以降に「鍛える」ことの本当の意味
ここで一つ、知っておいていただきたい大切なことがあります。50代以降、筋肉量は放っておくと自然に減っていきます。これは加齢による自然な変化ですが、何もしなければ腰まわりだけでなく全身で進んでいきます。いわゆる「サルコペニア」と呼ばれる体の老化状態です。
ですから腰痛の再発を防ぐために体幹やお尻の筋肉を鍛えることは、つまりカッコいいお尻の形をキープすることでもあります(ここまで読んだ方は、ぜひ家族やパートナーに「私のお尻の形どう?」と聞いてみて下さい)。脅すようで恐縮ですが事実なので声を大にして伝えておきますが、何も対策せず放置していると、そのまま将来の転倒予防や、いつまでも自分の足で好きなことを続けられなくなる可能性すらあるので覚えておいて下さい。「腰痛予防のための筋トレ」は、実は「これからの人生を元気に過ごすための筋トレ」でもあるのです。
サルコペニアやフレイル予防について詳しくは、老け込むにはまだ早い——50代から始まる体の衰えの正体と、筋肉で食い止める方法でも取り上げています。あわせてご覧ください。
③「効果を継続させる」ことの価値——現役力を保つために

筋トレと同じくらい大切なのが、日常の中の「小さな負担」を減らし、それを続けることです。1日だけ頑張っても、筋力が定着するところまで届かなければ、生活習慣が元に戻った途端に、鍛えた効果は少しずつ失われてしまいます。
今日から見直せる4つの生活習慣
座りっぱなしを45分以上続けない
気づけばパソコンの前で2時間、なんてこと、普通にありますよね。長時間座り続けることは骨盤まわりの筋肉を硬くし、股関節の可動域を狭めてしまいます。デスクワークの方は、コーヒーを淹れる、郵便物を取りに行く——理由は何でも構いません。1時間に1回、椅子から立つ口実を作るだけで、腰への負担はずいぶん減らせます。
「腰から曲げる」を「股関節から曲げる」に変える
靴下を履く、床の荷物を持ち上げる、クシャミをする——こうした一日に何度もある「一瞬の油断」が、実は腰にとって一番危険な瞬間です。膝と股関節をしっかり折りたたむ意識に変えるだけで、その一瞬の負担は大きく減ります。
体重の変化に気を配る
前回ご紹介した48歳女性の症例のように、体重の増加は腰への負担に直結します。「最近ベルトの穴がひとつ増えた」——そんな小さな変化が、実は腰へのサインでもあります。無理な食事制限ではなく、活動量を保ちながら適正体重を維持することが再発予防につながります。
「腰の周り張ってきたな」のサインを見逃さない
体は正直なもので、痛みが出る前に必ずと言っていいほど小さなサインを送ってくれています。再発しやすい方の多くは、痛みが出る数日前に「なんとなく腰が張る」という予兆を感じています。このサインを気のせいで片付けず、ストレッチや軽い運動を入れる習慣があるかどうかが、再発するか否かの分かれ道になります。
「治す→再発させない→現役力強化」という当院の考え方
あさがお整体院・パーソナルジムでは、施術で痛みを和らげることをゴールにはしていません。柔道整復師としての施術で体を「整え」たあとに、パーソナルトレーナーの視点で「鍛え」、それを生活習慣として「継続させる」——この3つの流れを一つの場所で提供できることが、他にはない強みだと考えています。
実際、VRC加圧トレーニングは軽い負荷でも筋肉に効果的な刺激を与えられるため、腰に不安がある方でも取り組みやすく、継続しやすいトレーニング方法です。痛みが落ち着いた段階から少しずつ取り入れることで、「治った後」の体づくりを無理なく続けていくことができます。
もし「痛みは引いたけれど、また同じことが起きそうで不安」「何を鍛えればいいのか分からない」と感じているなら、それは体づくりを始めるちょうどよいタイミングです。一人で抱え込まず、まずは今の体の状態を確認することから始めてみませんか。
「老け込むにはまだ早い」——
体が若返る可能性を、まず実感して下さい。
まずは体のことを話してみてください。
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臨床経験
施術実績
継続年数
📍 東京都杉並区・下高井戸駅より徒歩1分





