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第4話:私が40年で見てきた腰痛患者さんに共通していたこと

腰に炎症を持つベットに座っている男性。

あさがおパーソナルジム/あさがお整体院 腰痛シリーズ第4話 筆者 加藤秀之

「またやってしまった……」

毎年ぎっくり腰を繰り返し、湿布貼って安静にして良くなっても数か月後にはまた痛くなる。

そんな経験はありませんか。

実は腰痛は、日本人の約8割が一生のうちに経験するとされていて、厚生労働省も再発しやすいことを指摘しています。私は柔道整復師として40年、約20,000人の腰痛を診てきました。その中で気付いたことがあります。腰痛を繰り返す人には、驚くほど共通点があったということを今回はお伝えします。


第1話では「腰痛はなぜ起こるのか」を、

第2話では「ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症とはどんな病気か」を、

第3話では「急性・慢性・心因性、それぞれの腰痛のリアル」をお伝えしてきました。

「繰り返すぎっくり腰」だけでなく、「湿布をしても治らない」「歩くと足がしびれる」——同じように悩んでいる方も少なくないのが実態で、私自身、柔道整復師として患者さんに「痛みが出そうな時は無理はしないでね」と伝えながらも自分自身がその言葉を守れず痛い思いをしたことが多々ありました。今回は、私自身の経験と、印象に残っている症例とともに、その共通点を出来るだけ分かりやすくお伝えします。

目次

①毎年のように繰り返すギックリ腰

あさがおの整体風景。院長が脚からバランスを確認する。

しゃがんでものを取ろうとした瞬間、腰に激痛が走ったことがあります。施術中だったので患者さんに気づかれないよう、体を曲げたまま硬直させ、冷や汗をかきながら施術を終えました。数日の安静とリハビリで2週間ほどで回復しましたが、「しまった!やっちゃった。」というあの感覚は、今でもはっきり覚えています。

同じような「また、やってしまった」を繰り返す患者さんは、臨床の現場でも数多く見てきました。

患者様プロフィール
世田谷区在住、51歳男性、公務員、デスクワーク中心、運動習慣なし

「またやってしまいました……」そう言って来院されたのは、世田谷区にお住まいの50代の男性でした。20代の頃は野球をしていましたが、仕事が忙しくなってからはほとんど運動をしなくなり、ここ10年ほどは毎年2〜4回ほどぎっくり腰を繰り返していました。

特に季節の変わり目、急に寒くなった日、年度末など仕事が忙しい時期、長時間座りっぱなしが続いた後に発症することが多く、毎回「少し腰が張ってきたな」と感じた数日後、靴下を履こうと前かがみになった瞬間や、洗面所で顔を洗おうとした時に腰へ激痛が走るというパターンでした。

整形外科ではレントゲン検査などの結果「骨には異常ありません。筋肉でしょう」と言われ、湿布と痛み止めを処方されることがほとんど。痛みは1週間から10日ほどで落ち着くものの、治ったと思っているとまた数か月後にはまた再発の繰り返し。「年齢だから仕方ないのかな」と半ば諦めていたそうです。(トシってまだ50代ですが…)

当院での検査(チェック)で分かったこと

  • 股関節の動きが非常に硬い
  • お尻や太ももの筋肉の柔軟性が低下
  • 腹筋・背筋の持久力低下
  • 長時間の座位による骨盤周囲の筋緊張
  • 腰だけで前かがみになる動作のクセ

腰そのものだけではなく、「腰に負担が集中しやすい体の使い方」と「デスクワークでの長時間勤務」が長年続いていたことと、併せて運動不足も再発を繰り返す大きな原因と考えられました。

施術と運動療法

炎症が強い時期は腰への負担を最小限にしながら周囲の筋肉の緊張を整えて痛みを軽減。症状が落ち着いてからは、股関節の可動域改善、体幹筋力の強化、正しい前かがみ動作の習得、自宅で5〜10分程度できるストレッチ指導と、当院では無理なく続けられる筋力トレーニングを段階的に行いました。

現在の様子

現在は週1回のVRC加圧トレーニングと、職場まで25分ほど歩いて通勤されています。以前は季節の変わり目になるたびに腰痛を心配されていましたが、現在では「腰が痛くなる」不安もなくなり、約1年以上ぎっくり腰を再発することなく仕事を続けられています。

痛みを繰り返さなくなった実感から「痛くなってから治すのではなく、痛くならない体づくりが大切なんですね」と、笑顔で話してくださいました。

院長コメント

ぎっくり腰は「突然起きたように見える症状」ですが、多くの場合は日々の疲労や筋力低下、柔軟性の低下が積み重なった結果として起こります。特に50代以降では積極的になにもケアしないでいると筋肉量や回復力が少しずつ低下するため、一時的に痛みだけを抑えても、体の使い方や運動習慣が変わらなければ再発しやすくなります。「毎年のようにぎっくり腰になる」「季節の変わり目が怖い」という方は、腰だけでなく全身の動きや筋力を見直すことで、再発予防につながる可能性があります。

②原因不明で治らなかった慢性腰痛

ランニングでオーバーワーク。腰がいたくなる。

私は30代後半、サブスリーを目指して月間400〜450キロ走り込んでいた時期がありました。走った翌朝は腰が伸びず、靴を履くのに妻の手を借りることもあったほどです。痛みが治まるとまた距離を伸ばし、また痛める——この悪循環から抜け出せたのは、パワープレートを使った予防トレーニングを取り入れてからでした。この経験が、今の「治療より予防」という考え方の原点になっています。

「なかなか治らない」腰痛は、腰だけを診ていても解決しないことが、私の経験上多かったです。

患者様プロフィール
48歳女性、在宅勤務のOL

コロナ禍で在宅勤務になり、出社することがほとんどなくなったことで、食料の買い出し以外はほとんど外出しなくなりました。しかも自宅の椅子は仕事用ではなく長時間座ることに適しておらず、窮屈な姿勢でのPC作業が続くように。在宅勤務が始まってすぐに腰痛が始まり、激しい痛みとともに急激な体重増加も加わりました。

彼女の場合、治療をするだけでは解決できない——肥満、運動不足による筋力低下、不自然な姿勢での事務作業、そのすべてが痛みの原因になっているのは明らかでした。当初は短時間からバランスボールに座っての仕事や、時には立ったままでのPC作業を行ってもらったり、家具の適正化を行なって、姿勢に変化をつけていただきました。

日常の変化と同時に、痛みの原因となっている体重増加と全身の筋力低下を改善するため、整体と並行してパーソナルトレーニングも処方。

現在の様子

効果は顕著で、3ヶ月ほどで整体の頻度を週一から2週間に一度、月に一度と減らしても痛みが出なくなりました。同時に行ったVRC加圧トレーニングも運動不足解消と筋力強化に役立ち、約半年間で10キロほどの減量にも成功(最大体重103キロ)。日常の腰の痛みからは解放されつつあり、今も80キロ台を目指して運動を継続中です。

院長コメント

腰痛の原因が「腰そのもの」だけにあるとは限りません。体重の増加、筋力低下、長時間同じ姿勢での作業——これらが重なると、湿布や安静だけでは改善しない慢性的な痛みになりやすくなります。「なかなか治らない腰痛」に悩んでいる方は、腰周りだけでなく生活全体を見直すことで、改善の糸口が見つかることがあります。

③歩くたびに足がしびれて、休まないと歩けなくなった

デスクワークで腰が痛くなった女性。

私ごとです。デスクワーク中に座ったままくしゃみをしただけで、腰に激痛が走り動けなくなったことが何度もあります。座っている時は立っている時の約1.4倍の重さが腰にかかっており、くしゃみによる急激な腹圧の上昇が、それに追い打ちをかけるのです。こうした時のセルフケアとして、私は大腰筋を優しく緩めることを行っています。

実例として加齢とともに、こうした一瞬の負荷が引き金になって、歩くこと自体がつらくなる方もいます。

患者様プロフィール
70歳女性、ゴルフ愛好家

「最近、長く歩くと足がしびれて、途中で休まないと歩けないんです」そう苦しそうに症状を訴えられたのは、長年ゴルフを楽しんでこられた70代の女性でした。

数ヶ月前から歩行中に腰から背中、時には腕にかけても違和感やしびれを感じるようになり、ゴルフのラウンド中も休憩を挟まないと最後まで回れなくなっていました。「年のせいかしら」「でもライバルには負けたくない」と思いながらも、好きなゴルフを諦めたくない一心で来院されました。

検査で分かったこと

腰を反らすと症状が強くなり、前かがみになると楽になる典型的な間欠性跛行のパターンがみられました。MRI画像上でも脊柱管の狭窄が確認されましたが、椎間板ヘルニアのような若い世代に多い「飛び出す」タイプではなく、加齢に伴って椎間板や靭帯が徐々に変性し、脊柱管そのものが狭くなっていくタイプでした。あわせて背骨全体の柔軟性の低下もみられ、腰だけでなく背中や腕にまで症状が及んでいたのは、こうした加齢性の変化が広い範囲に及んでいたためと考えられました。

施術と運動療法

神経への負担を軽減できる姿勢や日常生活での動作を指導しながら、腰・背骨周囲の筋肉の緊張を和らげる施術を実施。症状が落ち着いてきた段階で、可動域の改善、体幹の筋力強化、歩行フォームの見直し、自宅で続けられるストレッチを無理のない範囲で開始しました。(彼女のケースで一番驚いたのが、ストレッチポールに仰向けに数分間寝そべる助言を実行しただけで痛みが軽減したことです!)

現在の様子

通院を続けるうちに、休まず歩ける距離が徐々に延び、「ゴルフも最後まで回れるようになったし」「歩くことが怖くなくなりました。まだ好きなことを続けられるんだと思えて、本当に嬉しい。」と話してくださいました。

院長コメント

歩行中の足のしびれや、休むとまた歩けるようになるという症状は、脊柱管狭窄症の典型的なサインです。画像検査の結果だけでなく、体の使い方や柔軟性を含めて総合的に見ていくことで、改善の可能性が広がるケースは少なくありません。

④40年間の臨床を通じて、腰痛患者さんに共通していたこと

ベットに寝ている患者さんを院長が施術している風景。

こうして振り返ってみると、腰痛は年齢や職業、性別を問わず起こりますが、共通しているのはいつも「特別な原因」ではなく「日常の動作」がきっかけになっているということです。靴下を履こうとして、くしゃみをして、しゃがんで物を取ろうとして——そんな何気ない瞬間に、それまで積み重なっていた負担が痛みとして表に出てくる。

そしてもう一つ、痛みが本当に軽くなっていく方に共通していたのは、「痛みが引いたら終わり」にせず、体の使い方そのものを見直したことでした。それは私自身が走ることで痛めた腰と向き合いながら気づいたことでもあります。

あさがおパーソナルジム・整体院では、実は院長である私の怪我の克服の大変さを繰り返し体験したことがきっかけで、痛みを治すことだけをゴールにはしなくなりました。再発させない体づくり、そしてその先にある、いつまでも元気な自分でいる力「現役力」——好きなことを諦めずに続けられる体を、ご縁ある方と一緒につくっていきたいと考えています。

もし今、「またやってしまった」「なかなか治らない」「歩くと足がしびれる」——それらの状態に心当たりがあるなら、それは決して珍しいことではありません。その時にはこの記事を読んだことを思い出して下さい。一人で悩まず、気軽に相談して頂けることをお持ちしています。体の状態をご一緒に確認することから始めてみることをオススメします。


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この記事を書いた人

加藤秀之
国家資格・柔道整復師×パーソナルトレーナー

大阪出身。18歳で上京し、昼は接骨院・夜は専門学校という生活を3年間続けて柔道整復師の国家資格を取得。

1998年に下高井戸で開業して28年目。

自身はフルマラソン・サブ3.1のガチランナーとして月400キロ走り込んだ経験から、予防は治療に優るから「治すより、病気しない・怪我しない」時代が来ると信じている。

現在も下高井戸商店街振興組合理事を24年間務め、
ご縁のある地域の方の健康と28年間向き合ってきた。

あさがおパーソナルジム/あさがお整体院(世田谷区下高井戸)1分

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