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水を飲むだけで内臓脂肪は減る?サントリー「特水」の根拠をマジメに調べてみた

高機能の水を飲み運動するミドル女性

テレビCMを見ていて、ふと気になった商品がありました。「内臓脂肪を減らすのを助ける」という水です。

水を飲むだけで内臓脂肪が減る? もし本当なら、ずいぶん便利な話です。ただ、健康に関わる仕事をしている私としては、どうしても気になります。本当に水だけで減るのか。その根拠はどの程度確かなのか。そもそも機能性表示食品は、国が効果を認めた商品なのか。

そこで今回は、商品を批判するのではなく、公表されている商品情報、届出制度、研究論文まで実際に調べた上でお伝えします。

結論を先に言えば、「まったく根拠のない商品」ではありません。一方で、「ただ水を飲むだけで内臓脂肪がどんどん減る」という単純な理解も正確ではありません。そして調べていくうちに、私が一番面白いと感じたのは、商品の効果そのものよりも「健康食品の広告を、私たちはどう読み解き理解すればいいのか」ということでした。

目次

「内臓脂肪を減らす水」の正体

ペットボトルの水を飲む女性

今回取り上げるのは、2025年10月に発売されたサントリーの「特水(とくすい)」です。機能性表示食品で、HMPAという成分(米ぬかを発酵させたものに含まれる成分)が入っています。表示されている機能は、「BMIが高めの方の内臓脂肪を減らすのを助ける機能が報告されています」というものです。

ここで押さえておきたいのは、効果のもとは「水」ではなく、水に溶け込んでいるHMPAと呼ばれる成分だということです。1日の目安は1本600mL。この1本に、研究で使われたのと同じ量のHMPAが入るように作られています。つまり600mLという量は、HMPAを1日分摂るための「適量サイズ」なのだそうです。

実は機能性表示食品のパッケージには、「一日当たりの摂取目安量」と「その量に含まれる成分の量」を表示することが義務づけられています。キャッチコピーだけでなく、この2つを見る習慣をつけるだけで、広告の見え方は変わってきます。

では、本当に効果はあるのか?ここが一番知りたいところ

カプセルタイプのサプリメント

HMPAについては、BMIがやや高めの健康な男女74人を対象に、12週間続けて摂取してもらう比較試験が行われています。その結果、HMPAを摂ったグループは摂らなかったグループに比べて、内臓脂肪の面積が4.2cm²、ウエストが1.4cm多く減っていました(研究論文)。

人を対象とした比較試験で差が確認されているのは、重要な事実です。「科学的根拠がまったくない」という話ではありません。

ただし、注意点が二つあります。

一つ目は、この研究で使われたのが「特水」そのものではないことです。試験で使われたのは、HMPAを含むカプセルでした。「特水を飲んだ人で内臓脂肪が減った」という研究ではなく、「HMPAという成分を摂った人で差が出た」という研究なのです。

二つ目は、4.2cm²という数字の意味です。これは一人ひとりが4.2cm²ずつ減ったという意味ではなく、摂ったグループと摂らなかったグループの「差」です。しかも対象はBMIがやや高めの人に限られていて、誰が飲んでも同じ結果になるとは限らないのです。

「機能性表示食品」は国のお墨付きではない

機能性表示食品の分かりやすい図

MEDIXより

ここが今回いちばん伝えたい部分です。「機能性表示食品」と聞くと、国が効果を認めた食品だと思う方もいるかもしれません。しかし、これは間違いで正確ではありません。

国が個別の商品を審査して許可するのは「特定保健用食品(トクホ)」です。一方の機能性表示食品は、事業者が自らの責任で科学的根拠を消費者庁に届け出たうえで、機能性を表示する食品です(消費者庁)。

だからといって、「機能性表示食品=怪しい」なんてことを言いたいわけでもありません。届け出られた根拠は消費者庁のウェブサイトで公開されていて、誰でも確認できます。国がすべて判断してくれる制度ではなく、公開された根拠を私たち自身も確かめられる制度、と考えると分かりやすいでしょう。

健康食品の広告を読み解く「4段階チェック」

今回調べてみて、健康食品の広告は次の4段階で確認すると分かりやすいと感じました。

STEP 1

:広告を見る。「内臓脂肪を減らす」という言葉だけでなく、「誰の」「何を」「どの程度」減らす話なのかをチェックします。

STEP 2

:商品表示を見る。何という成分が、1日分にどれだけ入っているのかをチェックします。

STEP 3

:届出情報を見る。消費者庁の届出情報検索で商品名を入れると、メーカーが何を根拠にその表示をしているのかが分かります。届出情報検索

STEP 4

:研究そのものを見る。対象は誰だったのか、どれくらいの期間か、何と比べてどれくらい差が出たのか。そして、その研究は商品そのものを使ったものなのか、成分についてのものなのかをチェックします。

ここまでチェックすると、「効く」「効かない」の二択ではなく、「どの条件で、どの程度の根拠があるのか」という見方ができるようになります。

「効果がある」と「効果が大きい」は別の話

研究で差が確認されたとしても、「効果がある」と「効果が大きい」は同じ意味ではありません。HMPAに一定の条件下で効果が報告されていることと、「これを飲めば内臓脂肪対策は十分」と考えることは、別の話です。

内臓脂肪を減らしたいのであれば、食べ過ぎを減らし、食事内容を見直す。日常の活動量を増やし、筋肉を維持する。必要に応じて医療機関に相談する。こうした基本がまずは土台になることはご理解頂けると思います。実際、特水の商品表示にも、食生活は主食・主菜・副菜を基本にバランスよく、という注意書きがあり、医薬品ではないことも明記されています。

健康情報は「信じる」か「疑う」かの二択ではない

健康のために良い水を飲む女性

健康情報に振り回されないために、医学論文をすべて読む必要はありません。必要なのは、「その情報は、どこまで分かっているのか?」を一段深く確かめる習慣です。

今回の特水をきっかけに私が伝えたいのは、「この商品を買うべき」でも「買うべきではない」でもありません。広告を見たら一歩立ち止まって、その根拠を自分で確認することで、知識の上書きが出来るということです。

科学的根拠があるなら、その根拠を知る。効果が小さいなら、その大きさを知る。研究対象に条件があるなら、その条件を知る。それが、本当の意味での「健康情報の理論武装」ではないでしょうか。

次回予告:「痩せる薬」の話

最近は「痩せたい」という気持ちに応えるように、健康食品やサプリメント、さらには糖尿病などの治療に使われる薬を、体重減少の目的で使うケースまで話題になっています。

ここにも今回と同じ問いがあります。誰のための薬なのか。本来の目的は何か。どんな副作用やリスクがあるのか。健康食品と医薬品はもちろん別物ですが、広告や口コミだけで判断せず、根拠とリスクを確かめる姿勢は共通しています。

次回は「糖尿病の薬をダイエット目的で使って大丈夫?――“痩せる”の裏側にあるリスクを知っていますか」というテーマで、医薬品とダイエットの関係を調べてみたいと思います。

最後に

健康食品も、薬も、運動も、食事も、健康を守るための選択肢です。だからこそ「○○だから安心」ではなく、「なぜそう言えるのか?」を一度考えてみる。

鵜呑みにはしない。でも、何でも疑ってかかるわけでもない。調べて、理解して、自分で判断する。私は、それがこれからの時代の健康づくりに必要な「理論武装」だと思っています。

下高井戸駅 徒歩1分|あさがおパーソナルジム/整体院

健康情報は、調べて終わりにしない。

あさがおでは、テレビや広告で話題の健康情報の「本当のところ」を、
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執筆・監修:加藤秀之

あさがおパーソナルジム / あさがお整体院

国家資格・柔道整復師×パーソナルトレーナー 加藤秀之

柔道整復師として40年、延べ約20,000人に、15万件以上の施術・運動指導に携わってきました。膝・腰・肩などの運動器疾患に向き合う中で行き着いたのは、「痛みを取るだけでは根本的な解決にならない」という結論です。

現在は整体で身体を整えた上で「一生歩ける体を作る」運動指導に軸足を置き、痛みの改善だけでなく再発予防までを一貫してサポートしています。本記事の内容は、この臨床経験に基づいて監修しています。

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FAQ  よくある質問

特水はトクホ(特定保健用食品)ですか?

いいえ、機能性表示食品です。トクホは国が商品ごとに審査して許可する制度ですが、機能性表示食品は、事業者が科学的根拠を消費者庁に届け出たうえで機能性を表示する制度です。届け出られた根拠は、消費者庁のウェブサイトで誰でも確認できます。

特水を飲むだけで内臓脂肪は減りますか?

BMIがやや高めの人がHMPAという成分を12週間摂ったところ、摂らなかった人に比べて内臓脂肪の面積に差が出たという研究が報告されています。ただし、研究で使われたのはカプセルで、特水そのものではありません。「飲むだけで十分」と考えず、食事や運動と組み合わせることが大切です。

内臓脂肪を減らすには、何から始めればいいですか?

食べ過ぎを見直し、日常の活動量を増やし、筋肉を維持することが土台になります。50代以降は何もしなくても筋肉が減りやすいため、無理のない筋力トレーニングを続けることが重要です。

内臓脂肪対策に、やはり運動は大切ですか?

はい、大切です。運動は内臓脂肪対策の土台になるだけでなく、50代以降に減りやすい筋肉を守ることにもつながります。ただ、膝や腰に不安がある方が自己流で始めると、痛みが出て続かなくなることもあります。あさがおでは、柔道整復師が身体の状態を確認し、整体で整えたうえで、1回30分のパーソナルトレーニング(加圧トレーニングにも対応)で、無理なく続けられる運動を指導しています。まずはLINEやカウンセリングで、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

加藤秀之
国家資格・柔道整復師×パーソナルトレーナー

大阪出身。18歳で上京し、昼は接骨院・夜は専門学校という生活を3年間続けて柔道整復師の国家資格を取得。

1998年に下高井戸で開業して28年目。

自身はフルマラソン・サブ3.1のガチランナーとして月400キロ走り込んだ経験から、予防は治療に優るから「治すより、病気しない・怪我しない」時代が来ると信じている。

現在も下高井戸商店街振興組合理事を24年間務め、
ご縁のある地域の方の健康と28年間向き合ってきた。

あさがおパーソナルジム/あさがお整体院 下高井戸駅徒歩1分

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